Power Queryデータのグループ化

業務改善コンサルティング会社がお届けする、今回はExcelのPower Queryの第十二回目です。

 

Power Queryを使用したデータのグループ化は、データ整理や分析において非常に強力なツールです。この記事では、Power Queryでデータをグループ化する具体的なプロセスについて、わかりやすく解説します。

たとえば、従業員の労働時間を日付ごとに記録した表があり、各従業員の合計労働時間を求めたいとします。この場合、グループ化機能が非常に便利です。グループ化を使えば、特定の基準（この場合は従業員名）に基づいてデータをまとめ、自動的に合計などの計算を行うことができます。

次のステップを通じて、Power Queryの基本操作から始め、データの複製、グループ化の設定、そしてExcelへの結果の読み込みまでを解説します。

 

【グループ化はどんな時に使う？】

 

下図のように、「上田 聡士」と「増田 桃子」、２人の労働管理表があります。
日付ごとに労働時間が算出されていますが、グループ化を使用して各自の合計時間を作成しましょう！
※今回のデータは、「Power Query労働時間の算出」のブログ記事で作成したデータを使用

 
【労働時間をグループ化しよう！】
・ステップ1：Power Queryの起動
・ステップ2：クエリの複製
・ステップ３：労働時間のグループ化
・ステップ４：Excelに読み込み
・最後にクエリの「複製」と「参照」の違いについて

それではスタート！

 

▶ステップ1：Power Queryの起動
①    テーブル内にカーソルを置き、データタブ ＞ クエリと接続 をクリックします。
②    労働時間テーブルのクエリをダブルクリックし、Power Queryを開始します。
 

 

▶ステップ2：クエリの複製
日付ごとの労働時間データを保持しつつ、合計時間のデータを作成するため、クエリを複製します。
①    Power Query画面の左側にある「労働時間」クエリを右クリックし、「複製」を選択。複製されたクエリ名を「労働時間_複製」とします。

▶ステップ３：労働時間のグループ化
①    複製したクエリを使用して、労働時間をグループ化します。ホームタブ ＞ グループ化をクリックします。

 
②    グループ化する内容を「氏名」列を基準に設定します。
今回は”氏名”ごとにグループ化したいため、「氏名」を選択します。

③    新しい列名を「合計時間」とし、「操作」を「合計」に設定、対象列を「労働時間」としてOKをクリックします。

 
▶ステップ４：Excelに読み込み
①    氏名ごとに労働時間のグループ化が完了しましたので、Excelに読み込みましょう！ホームタブ ＞ 閉じて読み込む ＞ 閉じて次に読み込む をクリックします。
 

②    「既存のワークシート」に読み込むセル(M3)を指定し「OK」をクリックします。

③    これで完了です。

 

▶最後にクエリの「複製」と「参照」の違いについて
Power Queryでの「クエリの複製」と「クエリの参照」は似ているようでいて、異なる操作を指します。
クエリの複製と参照の実際の違いを見てみましょう。例として、元のクエリで特定の変更を加えた場合の、複製クエリと参照クエリの挙動を比較します。
氏名を「上田 聡士」に絞りました。

 

 
●クエリの複製
既存のクエリの完全なコピーを作成し、独立した新しいクエリを生成します。元のクエリ

から独立しているため、元のクエリに加えた変更は複製したクエリには影響しません。

 
●クエリの参照
既存のクエリを基に新しいクエリを作成しますが、これは元のクエリへのリンクとして機能します。元のクエリに加えた変更は参照クエリに自動的に反映されます。

 
複製は完全な独立性を求める場合に、参照は元のクエリの変更を新しいクエリにも反映させたい場合に適しています。

いかがでしたか？最初は複雑に感じるかもしれませんが、このプロセスを通じて、データ分析の基本的なスキルを一つ身につけることができました。

グループ化はデータを整理し、より深い洞察を得るための強力な手段です。今回学んだ技術を活用して、日常業務や個人的なプロジェクトでデータをより効果的に分析してみてください。Power Queryは、データを扱う上での強力な味方となるでしょう。